「魔人探偵脳噛ネウロ」第1話「手」感想

巻頭カラーで「ユート」に続いての新連載第二弾です。
私的には、連載開始前からファンサイトを作るほど惚れ込んでいる作品なのですが、
ここではあえて愛ゆえに、辛口めに感想を書いてみたいと思っております。
萌え感想は上記のファンサイトで。

★まず、絵について★

読み切り掲載時から、異彩を放っていたこの作品、
やはり魅力は、荒削りながらも個性的な絵、大胆な構図にあると思います。
連載第一回である今回はどうだったかというと、
扉絵からして、ヘンテコなパースのかかった妙な迫力のある絵で、
荒木飛呂彦先生の作品をはじめて見た時の驚きに似たものを感じます。

ヤコ「食欲が…ない」→ネウロ「食欲が…わいてくる」の場面のネウロの後姿とか
線に色気もあるし、ドキっとなりました。カッコよさというのを理解している方だと思います。

ただ、残念ながらどうしてもまだ画力がついて行ってないと思うのです。
特に今回の絵は、連載のプレッシャーで固くなっているのか、
あるいはペンを変えて細めの主線にしたからか…
(澤井先生の影響を脱しようとしたのか、Gペンから丸ペン?にペンを変えた模様)
読みきりのときの、下手ながらのびのびした線に対して、
ちょっとぎこちないというか、大人しめの絵柄になってしまったように思いました。

特に女の子…ヤコちゃんの表情が固いなあ。可愛く描こうといっぱいいっぱいな感じ。
描きなれてくれば良くなると思うのですが、連載開始時にこんな感じだと、
読者が作品世界に入りづらくなってしまう可能性も危惧してしまいます。

そういえばギャグっぽい絵も、故意に減らしているようですね。
やはり「澤井先生っぽい」部分を何とかしたいのかなあ。
私は好きだったんだけど…あのビュティくさいヤコのビックリ顔とか…。

★次に、話について★

連載開始に当たって、いきなりヤコちゃんが不幸キャラになっててショックでした…。
ヤコ本人の謎を解くためにネウロが現れたというのは、導入として自然ですが、
読み切り版に見られた、明るくて勝気で、ネウロに振り回されても元気そうなヤコが
ちょっと大人しく、可哀相な感じの描き方になっていたのが個人的に残念でした。
ヤコの父親殺人事件解決後、どんな風に立ち直って行ってくれるかに期待したいと思います。

ミステリ部分の整合性については、この作品については重要ではないと思うので
さらっと流しておこうかと…でもやっぱりメチャクチャなトリックですよ。
血、吐きすぎだし。どんな毒だよオイ!
この人が犯人です! で指差された人がそのコマ初登場っていうのも反則。
やっぱりトリック担当原作者がついても良かったんじゃないのかなあって思ってしまいます。

あと、ちょっとモノローグや台詞で説明しすぎなのが気にかかりました。
推理部分がどうしても文字だらけになるのに、その他の部分もこれではゴチャゴチャして読みにくい。
徐々に設定を明かそうとしないで、とにかく1話目に詰め込んじゃった印象。
あまり引っ張ってもどうかと思いますが、もうちょっと小出しにしても良かったんじゃないかな。

良かったと思うのは、やっぱりネウロ! ネウロのキャラクター良過ぎ!
ヤコにだけ見せる魔界の顔と、一人称「僕」の外面の良さのギャップがステキー。
「拒否するならさっきの様に手を口に突っ込むぞ…?」から
「では手を口に突っ込むぞ」までの流れが好き。何かカワイイ。
キミワルイだけだとファンが付いてこないので、うまく「カワイイ」感じを挿入して行ってくれればと期待。
「魔界777ツ道具」増えてる! 増えてるよネウロ!
あと最高だったのは、犯人が動機を語り始めたら途中でぶった切ってネウロ退場、
もう全然事件に興味ありませーんという顔のところ。
この場面すごいですよ。なかなか描ける展開ではないですよ。凄いと思いました。
読み切り版の、魔物の顔で犯人に喝を入れてるネウロも良かったですが、
連載版の、人間自体にに興味ないっぽいネウロもカッコイイ。
(ただ、できれば今後「ヤコにだけは心を開いてる」エピソードなんか挿入してくれると
 よりいっそう感情移入しやすくなって嬉しい。同人的にもうれしいな…)

★ 全体のまとめ ★

上記の感想を見ての通り、欠点が多い漫画だと思います。
でも、不思議なことに、全部トータルで考えると、この作品「期待大」なんですよ。
欠点を補ってあまりある、変なパワーがあると思うのです。
ああもう、何ていえば良いのか…好き、としか。

大好きですよ。ええもうそりゃ、ファンサイト管理人ですから私。
ただ、今はあり余るセンスに何とか助けられて描いちゃってると思うんです。
この人が、理論と実践からもっとたくさん漫画技法を身に付けたら、
どんなにかすごい作家になるだろうと期待しまくっているのです。
だから、敢えていっぱい欠点を書き連ねました。
「コイツ、ファンのクセにこんなに文句ばっか言って、本当はアンチじゃねーの?」
とか、思われてしまうかもしれませんが、本気で応援してます。
松井先生、どうか頑張ってください。

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