■ 2008年11号デスノート読みきり全頁感想 ■

読んだらついぬふぁーんとなってやってしまった。とくに後悔はしていない。
今回の感想、漫画原作版を既読であることは当然のこととして内容に言及していますし、
映画版前後編も引き合いに出しつつ私見を述べています。ネタバレには各自御注意くださいませ。

行くぜ! 全頁感想!!

1p目 扉絵。これだけ「白」を生かした絵だと、ともすれば手抜き感が出てしまいかねないのですが
全然そんなことない…小畑先生のカラーイラストは本当に見惚れてしまいます。
今回、内容は連載版生き残りメンバー中心の比較的静かな展開の話だったので、
扉絵は特別サービスでL&月を描いて欲しかったかも…とちょっと思いました。
2p目 「Lが キラ 夜神月に殺されて9年」 …うわあーいきなりこの場面の回想からかー!
今回の読みきりで唯一、Lが顔を出しているコマが死に顔だなんて泣けてくる。
3p目 「キラ 夜神月が 死神リュークに殺されて3年」 …怒涛のあらすじ説明でした。
こうやって見ると、原作版の月の死に様は本当に惨めでしたね。
個人的には、救いのようなものが感じられた(あと、総一郎が可哀想な役回りだった)映画版より、
悪は悪のまま無残に滅んだ原作の月のほうが、実は好みであります。
4p目 1コマ目のニア、何だかちょっと背が伸びたかな?
人々の心に、Lも、そしてキラも生き続けている…そして死神もまた、どこかに在り続けるんだなあ。
とか言ってたらさっそく事件発生! おおっ、ガチで再びデスノートが地上に!?
しかも既に大量の名前を書き込んでるし、死神の目の契約も済ませているとは…展開速っ!
5p目 新たなるキラ登場でどうなったのかと思ったら、
いきなり「日本が長寿国1位の座から転落」とは…これは意外性のある展開です。
今回の「キラ」は犯罪者を裁いているのではないのか。
6p目 どうやら今回の「キラ」は、死にたいと願っている人を殺してくれる…
それも、老人を中心に裁く人物のようです。
なるほどそういう使い方もまた、「新世界を創る」と考えた場合の選択肢の一つかも。
まずネットで話題になる、というのは月=キラの時もそうでしたね。
実際、現実で似たような事件が起きても、似た流れになるんだろうな、と思います。
7p目 テレビで取り上げられるキラ情報。そういえば、捜査本部など一部の人間を除いて、
キラが心臓麻痺以外の死因でも殺せるというのはまだ秘密事項なんでしたっけ。
「日本人の割合の異常な高さ」
というのは、新キラのうかつさというか
行き当たりばったりさを示唆している気がします。
月は、最初はそうでもなかったですが、徐々に全世界まんべんなく裁くようにしていましたよね。
8p目 しかし松田…若返り過ぎだ。何かそういう死神との契約でも交わしてるんじゃないのか。
本編最終回でちらっと登場した山本がナチュラルに捜査本部の一員になってるー!
生意気な奴のようですが、松田とは妙にコンビ成立してるっていうか…面白いな。
9p目 相変わらず空気読めない松田発言は健在です。
松田の顔の描きかたを見ると、やはり小畑先生のタッチがちょっと変わったかなって気がします。
リアルさの追求から、線をある程度抜いて、漫画的デフォルメに挑戦している感じ。
10p目 死を望む老人を中心に殺しているというのは、松田の言い方では反論されまくりですけど
実際のところ、非常にデリケートで結論付けにくい問題ですよね。
安楽死を望む人も多く、合法化されている国だってあるくらいですから…。
「ニア いやL」と彼らは今、連絡取れない状態なんですね。
11p目 ハルとレスター、そしてニア登場! ぎゃーどうしたのニア…何て美人になってしまって!
(一瞬、実はニアは女の子だったという展開が待っているのかと思うほどの色気を感じました)
そしてこのタロットタワー! アシスタントさんのことを考えると背筋が寒くなる描き込み…。
12p目 タロットタワー >>>> 日本で起きている大量殺人事件 とは相変わらずのマイペース。
私だったらこんな部屋…呼吸するだけでタロット崩しそうで怖くてとても居られない。
13p目 日本の事件は殺人ノートによるものと断定。
「Lならどうするか」と言うニアは、やはりまだ「L」の面影を自分の背後に感じているのでしょうか。
確かに今度の事件は、死にたい人を黙々と殺しているという点で前のキラとは違いますね。
月は「神となる」目的があったため、そのやり口が派手でメッセージ性も高かった分、
追い詰められやすかったという一面があったんだろうな、と思うと皮肉にも感じます。
14p目 「失礼です Lにも キラにも…」 文字の大きさに込められた微妙な感情。
キラ=月が犯罪・戦争を抑止した功績(って表現していいのかな?)は、
ニアも、そしてもちろんLだってよく理解していて、それでもなお
「自分の正義」をかけて戦ったんですよね。
漫画の読者であった我々も、月のことをただの悪役以上に、確かにあの時、愛していました。
15p目 今、ノートを使っている者は「クズ」…と言い切りました!
どうなんでしょうね。死にたい老人を殺してやる、という行為は、
月が成そうとしていたこと以下…火口並みでしょうか。私にはまだ、その辺りが理解できないかも。
16p目 行動力から言って老人ではない、というのもどうなのかな?
思い込みが激しく、行動力もある凄いジーサン・バーサンというのも存在しますし。
2コマ目の意見には同感ですが、それは100%ではないでしょうし。
 (最後まで読んだら、まあ結果として正解だったことがわかりますけど)
事件としての「捜査すべき価値」があるかないかというより、
「一度見て知っている事例だからつまんねー」という基準で語ってるようで気になりますが。
3コマ目の表情を見る限り、まさにそういう基準こそが彼の行動原理なのかなって思いますね。
髪くるくるは可愛いなあ。生意気な顔がLにはない魅力。
17p目 今回の犯人は「Cキラ」と命名されました。ワイミーズの人ってイニシャル付けるの好きだなー。
3〜4コマ目のにゅっと出てくるニアが面白い。ここは「笑うとこ」でいいんですよね?
18p目 何と! ニア・メロとLは、直接に話をしたことは一度もなかったのか!
このページを見てかなり驚きました。
それほどしょっちゅう仲良くしていることはないと思ってはいたものの、
Lを継ぐ者として見出された2人ですし、Lの死を告げられた時の衝撃の表情を見る限り、
まさか一度も顔を合わせたことがない同士だったとは予想もしていなかったので…。
「L」の意思みたいなものは、直接的な接触で受け継がれるものではないってことなんですね…。
19p目 この回想…まだキラが地上に現われる前のLなんだなあ、と思うと、
顔も出してないのに何だか感慨深いものがあります。
「正義」については、デスノ本編でもLと捜査本部(特に夜神総一郎)が食い違う描写がありましたよね。
キラを倒すためなら法をも犯すというLの方法論は、この頃から健在のようです。
20p目 「趣味です」とはまた少年少女相手にはっきり言い切ったな。
しかし、数多くの推理小説に登場する名探偵などを見るにつけ、
善悪を行動基準としないものこそが真の行動力で問題を解決するというのは真理かも…と思います。
「負けず嫌い」というのは本編でもLが自分を、そしてキラを評してそう言っていました。
結局Lとキラは似たもの同士だったから、全力で戦えたんだなあ…。
21p目 L・ニア・メロの指人形だ! まだ大事に持ってたんですね。
(そう言えば「会った事がない」ならLの顔知らない筈なのに、随分良く似た人形を作ったものだな)
Lを継ぐための条件の一つが「目つきの悪さ」というのは面白いな…。やっぱ似たものに惹かれるんだな。
22p目 1コマ目のハルが穏やかだけど的確なツッコミ。
一体ニアは何が言いたいんだ?と私も思っていましたが、3〜4コマ目のやり取りでふと思いました。
ニアは「LはL ニアはニア」だと、誰かに言って欲しかったんじゃないのか…って。
Lに囚われている自分を把握していて、それでもうまく抜け出せないでいる自分の
背中を押してくれるだれかを無意識に求めていたのかもしれないなあ…って。
そう思うと、一気にニアがハル&レスターに甘えてるように見えてきて可愛く感じてきたんだぜ…!
23p目 ノート・死神の存在を公にするというのは、なかなかリスクの高そうな解決策です。
今後、ノートによる犯行が何度も起こると予想されるなら確かに有効でしょうが、
代償として、世界規模での疑心暗鬼、今まで信じていた「常識」の崩壊が予想されます。
特に、死神・死神界の存在を肯定してしまったら、宗教というものが揺らぎかねないのが怖いです。
24p目 ニアの手元が狂い、タワーが一部崩れました…全部崩れなくて良かったな…。
やはり心に迷いがあるのか、2人に「帰ってくれ」というニア。
「タワーが倒れないように」
っていうのが恐ろしいです…。
25p目 死神界出たー!! 鎖の森は初めて見る光景だな。リューク懐かしいです!
今地上に降りている死神はリュークではなくミードラ。新登場の名前だっけ?
シドウあたりがまたふらふら地上に遊びに行ってるのかと思ったら違うのか〜。
26p目 デスノートの価値…リンゴ13個。…ちょ、死神大王安すぎ!
しかし、ノートの入手が簡単になったというのは、まさか続編への伏線とかじゃないだろうな。
27p目 「対象年齢引き下げ」って…。新聞の見出しもたいがいフザケてますね。
人口問題・年金問題解決してよかったーとでも思ってんじゃないのか、内心では。
そしてキラ王国復活! やはりこの流れでさくらテレビが動かないわけないと思ってたぜ!
28p目 うわー、いつものごとくチープなセット、すりガラス。これぞさくらテレビ!
今回のキラは本当に「キラ」なのか?という疑問は、やはり市民の間にもある模様。
そもそもかつての「キラ信者」は、犯罪者を裁くキラの理念を信奉していたのですから、
今回の件をストレートに「キラ復活万歳!」とも受け取りにくいんじゃないかって思います。
29p目 「日本の老人に限り殺している」というのは確かにおかしいと感じるべきところですよね…。
今さら夜神月を肯定しようとはもちろん思いませんが、
彼が「世界を」変えようと行動していたのに対して、今回のキラは小さい。
5コマ目、いきなり話を振られてビビる山本が面白い。
頑張れ山本。お前が小馬鹿にしている松田だって、当時命をかけてテレビ顔出ししたんだぞ!
30p目 何故か若者が口々に「死にたい」と言い出し、パニックにおちいるスタジオ!
ちと都合の良い展開かとも思いますが…今回のキラが「死にたい人を殺してくれる」存在だとしたら、
殺して欲しい人々が集まるというのも確かにあるかも…。
31p目 「殺してくれー」と口々に叫ぶ若者達。…この絵、怖いよ!
でも、実際に世の中には「死にたい」と潜在的に思ってる人ってけっこういるんでしょうね…。
32p目 「模木さんをかわりに…」って山本! お前本当にだめだなあ…。
確かに松田は失言しまくりだったけど、行動力と勇気はけっこうあったんだぜ?
もしデスノ第3部が始まったとしても、彼ではかつての松田ポジションはやっぱ無理だな。
3コマ目、テレビに映った人たちが次々苦しみだし…ついにキラ、大きく動いたか?
33p目 2コマ目の山本のビビり具合がリアル。
彼は実際にキラの殺しを目の当たりにしたことがなかったんだろうな。
でもやっぱ、「キラのいる世界らしい」っていう表現はやはり違うよな。
月は、こんな「自分にとってどうでもいい」人間は決して殺さなかったもんな…。
(しかし、月について書くたびに、自分がキラ肯定派みたいなこと書いてしまって我ながら意外…)
34p目 この状況を目にしてなお、大喜びの若者達が怖い。
いくら「死にたい」って言ってても、実際そのうち何人かが目の前で心臓麻痺を起こして死んで
次は自分…ってなったら、ビビったり逃げたりするんじゃない? 集団催眠みたいになってるんだろうか。
35p目 と、そこに現われた「L」の文字! ついに登場か! この懐かしい文字…!
さっきまで最後尾で震えてた山本、何「おっ」とか言って最前列に出てきてるんだよ。
36p目 ニアのタロットタワーがとんでもないことに! 上に行くほど表面積が広くなる置き方って可能なの?
しかし一体どうやって、自分の背より高いタワーを積んだんだろう…。
レスターも、さすがにここまで来ると、とても室内に入れないと見えてモニタ越しの会話です。
37p目 「私はこの事件に関与しません」「この大量殺人犯はキラではない」
それが、「Lならどうするか」と考え続けたニアの結論でした。
ニアが今回のデスノートの持ち主を評して「つまらない」と言い切り、
回想シーンではLが「自分が興味を持った事件にしか関与しない」と言っていましたから
この結論に至るのは予想ができました。
あとは…22p目で感じたように、ニアが「Lの面影から抜け出したい」と思っているのだとしたら
ここから先、何を「ニア自身の言葉として」付け加えるだろうか、というのがポイントだと思います。
38p目 今回のデスノートの持ち主は「自分は新たなるキラ、新たなる秩序」と浮かれのぼせているでしょうから
「殺人方法は同じだ、しかしこの事件には関与しない(=キラじゃない)」と言われるのは屈辱でしょうね。
今まで(そして結局最後まで)デスノートの持ち主の顔は一度も登場してません。
今回の話は「デスノートを使う殺人者」は、物語の背景のようなものでしかなかったんだなあと思います。
またキラ信者みたいな発言で恐縮ですが、月以上の「面白!(byリューク)」な人物を生み出せないなら、
デスノートの続編と言っても、こういう物語にするしかなかったんだなあ…と思います。
39p目 「Lってひでーな」「ずっと前からこんなだったろ」
ああ、やはり一般市民の認識でも、Lって「興味のおもむくまま」な人物だったんですね…。
もっとスーパーヒーローだと思われているのかと思ってたけど…。
40p目 ニアの言葉に奮起する警察一同。山本ー「そうっすね!」じゃねえよ!
いるよなあ…最後の最後にいいところを見せて、全体の印象が良くなっちゃう立ち回りの上手いタイプ。
相沢たちだって、長年Lとともに命をかけて戦っていた選り抜きのメンバーなのですから、
今回のCキラ程度なら多分、自分達だけで十分追い詰めることができたでしょうね。
しかし、どうやらニアがもう一言、何かを付け足したいようです。
41p目 「この人殺し」
このコマのニアの顔がカッコいい! この一言が、本当に彼の言いたかった台詞なんだろうなあ。
2コマ目、ミードラのバナナ食べる姿が、ジョジョに出てきたポルポに似てる気がするー。
背景に描かれたフィギュアが、Cキラの顔を描かずとも
彼がニアのプロファイルしたとおりの「勘違いした男性の若者」であることを示していますね。
「人殺し」と言われて止まる手といい、このコマの情報量の多さには感嘆しました。
42p目 「Lっぽくなかったかも」と、またしてもリドナー&レスターにちょっと甘えを見せるニア。
それに対して「もうあなたがLなのだから」…心得たものですね。
今までも彼らはこんなやりとりで支えあっていたのかもしれないという微笑ましさを感じます。
こういう描写の裏には、Lというキャラクターがあまりに強烈でそれ以上のものを生み出せなかったという
大場・小畑両先生のもどかしい気持ちがあるのかな…と考えるのはやっぱり穿ちすぎでしょうかね。
(でも、敢えて今回の番外編を生前のLのエピソードにしなかったチャレンジ精神は凄いと思いました)
43p目 ミードラ、死神界に帰還。デスノートの持ち主は自らの名前をノートに書いて自殺してしまったとのこと。
「人殺し」と言われて、自分のしていることを振り返って我に返ったんでしょうね。
たとえニアが言わなくても、警察が彼を見つけられなかったとしても、
結局長くはもたなかっただろうな…という気がします。
44p目 ラストページ…リュークが月のことを思い返してる!
と思ったらすぐリンゴに興味が移り、「人間って面白!」と締める。
所詮死神にとって、人間は娯楽のための道具なのかと思わせるこの流れがとても「らしい」です。
ウェットな部分がない、生や死、罪や罰に対してドライな描写というのが、
私がデスノートという作品に惹かれた理由のひとつなので、このオチは非常に好み。
  なので、少々「泣き」が入った映画版のラストは、好みで言うと微妙ですし
  最後にLの幻とリュークのモノローグが入ったアニメ版完結編も好みではないです。
  どちらも、完成度は最高に近いと思っています。あくまで好みの問題。

これで今回のCキラ事件は終了ですが、
死神大王から奪ったノートはまだリュークの手にあるんですよね。
先にも書いたように、もう「デスノート」という題材でL&月以上のキャラを生み出すのは
不可能に限りなく近いと思うのですが、
ひょっとしてひょっとすると…まさかとは思うけど…続編とか…考えてたりするのかな…?

まあ、それはジャンプ編集部と大場・小畑先生が決めること。
もしそうなったら、もちろん毎週楽しみに読んだり、感想を書いて楽しんだりすることでしょうが、
とりあえず今は…デスノ番外編、面白かったです。先生ありがとうございました!

こんな長文を最後まで読んでくださった方、もしいらっしゃたとしたら…ありがとうございました。

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